「ワインを飲めば鉄分補給になる?」と期待したことはありませんか?赤ワインには鉄分が含まれているイメージがありますが、実際の含有量や体への吸収率はどうなのでしょうか。この記事では、ワインの鉄分含有量を具体的な数値で解説し、ワインの種類別の比較、他の飲み物との違い、そして鉄分吸収率を高める食べ合わせのコツまで徹底的に解説します。ワインを楽しみながら上手に鉄分を摂りたい方は、ぜひ最後まで読んでください。
【結論】ワインの鉄分含有量は期待するほど多くない

結論からお伝えすると、ワインは鉄分補給の主力食材にはなりません。
「赤ワインは体に良い」「ポリフェノールが豊富」というイメージから、鉄分も多いと思われがちですが、実際の含有量は非常に少なく、食事で鉄分を補う代替手段にはならないのが現実です。
ただし、ワインに含まれる成分が鉄分の吸収に影響を与えることは事実であり、食べ合わせを工夫することで鉄分の吸収効率を上げることは可能です。
まずは具体的な数値を確認しながら、ワインの鉄分含有量の「実態」を正確に把握していきましょう。
赤ワイン100mlあたりの鉄分は約0.4mg
赤ワイン100mlあたりの鉄分含有量は約0.4mgです。
これは日本食品標準成分表をはじめ、複数の栄養データベースでも確認されている数値です。

一般的なワイングラス1杯は約125〜150mlですので、1杯あたりに換算すると鉄分は約0.5〜0.6mg程度となります。
この数字だけ見ると「それほど少なくないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、1日の推奨摂取量と比較すると、その少なさが際立ちます。
参考:赤ワインと鉄分の関係~タンニンは悪者か? | FIANO 株式会社フィアーノ
1日の推奨摂取量と比較すると約4%程度
厚生労働省が定める鉄分の1日推奨摂取量は、成人女性(月経あり)で約10.5mg、成人男性で約7.5mgです。
赤ワイン100mlに含まれる鉄分は0.4mgですから、成人女性の推奨摂取量(10.5mg)に対してわずか約4%にすぎません。
仮にワイングラス3杯(約375ml)飲んだとしても、摂取できる鉄分は約1.5mg前後で、1日の推奨摂取量の14%程度にとどまります。
さらに後述するように、赤ワインに含まれるタンニンが鉄分の吸収を阻害する可能性があるため、実際に体に吸収される鉄分の量はさらに少なくなる場合があります。
「ワインを飲んで鉄分補給」という考え方は、現実的にはほぼ効果がないと理解しておくことが大切です。
赤ワインと白ワインで鉄分量はどう違う?

ワインの種類によって鉄分含有量には違いがあります。
大きく分けると、赤ワインやロゼワインは白ワインよりも鉄分が多い傾向にあります。
これはブドウの果皮や種子を発酵に使用するかどうかの製造工程の違いによるものです。
以下でそれぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

赤ワインの鉄分含有量と特徴
赤ワインの鉄分含有量は100mlあたり約0.4〜0.5mgです。
赤ワインはブドウの果皮・種子・果汁を一緒に発酵させる「醸し(かもし)」という製法で造られます。
この工程でブドウの果皮や種子に含まれるタンニン、ポリフェノール、鉄分などが豊富にワインに溶け出します。
そのため、果汁のみを発酵させる白ワインと比べて、赤ワインは鉄分を含む各種成分の含有量が高くなる傾向があります。
また、製造に使用する機材(古い鉄製タンクなど)がワインの鉄含有量に影響することも研究で示唆されており、ワイナリーごとに含有量が異なる場合があります。
参考:ワインに含まれる鉄分の量と健康への影響【選び方と飲み方】
白ワインの鉄分含有量と特徴
白ワインの鉄分含有量は100mlあたり約0.3mgで、赤ワインよりもやや少なめです。
白ワインは果汁のみを発酵させる製法のため、果皮や種子由来の鉄分・タンニンが少なくなります。
特に日本産の白ワイン、中でも甲州ブドウから造られるワインは鉄分含有量が統計的に少ないという調査報告があります。
甲州ブドウは「土から離れた位置に房が実る」という特性を持ち、土壌由来の鉄分が少なく仕上がると言われています。
この特性が、魚介料理と組み合わせた際に生臭みが生じにくい理由の一つでもあります。
参考:魚には白ワインと言いますが… | itteki!(イッテキ!)
ロゼワイン・スパークリングワインの鉄分量
ロゼワインの鉄分含有量は100mlあたり約0.4mgで、赤ワインとほぼ同程度です。
ロゼワインは製法によって鉄分量が異なりますが、果皮を一定時間醸す工程があるため、白ワインより多く赤ワインと同程度の鉄分が含まれる傾向があります。
スパークリングワインについては、ベースとなるワインの種類(白・ロゼ・赤)や製法によって異なりますが、一般的な白ベースのスパークリングワインは白ワインに近い含有量(0.3mg前後)と考えられています。
以下の表に各ワインの鉄分含有量をまとめました。
| ワインの種類 | 鉄分含有量(100mlあたり) |
|---|---|
| 赤ワイン | 約0.4〜0.5mg |
| ロゼワイン | 約0.4mg |
| 白ワイン | 約0.3mg |
| スパークリング(白ベース) | 約0.3mg前後 |
参考:鉄分の多い食品と鉄分の含有量一覧表 | 簡単!栄養andカロリー計算
ワインと他の飲み物の鉄分含有量を比較

ワインの鉄分含有量を他の飲み物と比較することで、その位置づけがより明確になります。
アルコール飲料の中での比較と、鉄分補給として注目されるノンアルコール飲料との比較を見ていきましょう。

お酒類(ビール・日本酒・焼酎)との比較
アルコール飲料の中で鉄分含有量を比較すると、赤ワインは比較的上位に位置します。
| 飲み物 | 鉄分含有量(100mlあたり) |
|---|---|
| 赤ワイン | 約0.4〜0.5mg |
| 白ワイン | 約0.3mg |
| 紹興酒 | 約0.3mg |
| ビール | 約0.1mg以下 |
| 日本酒 | ほぼ0mg |
| 焼酎 | ほぼ0mg |
ビールや日本酒、焼酎と比べると、赤ワインは確かに鉄分を多く含んでいます。
しかし「アルコール飲料の中では多い」というだけで、鉄分補給の観点では他の食品に大きく劣ることに変わりはありません。
参考:鉄分の多い食品と鉄分の含有量一覧表 | 簡単!栄養andカロリー計算
ノンアルコール飲料(豆乳・プルーンジュース等)との比較
鉄分補給に適した飲み物として知られるノンアルコール飲料と比較すると、ワインの少なさがより際立ちます。
| 飲み物 | 鉄分含有量(100mlあたり) |
|---|---|
| プルーンジュース | 約0.7〜1.0mg |
| 野菜ジュース | 約0.3mg |
| パインジュース | 約0.4mg |
| 調整豆乳 | 約1.2mg |
| 赤ワイン | 約0.4mg |
豆乳やプルーンジュースは赤ワインと同等かそれ以上の鉄分を含んでおり、アルコールを摂取せずに鉄分を補える点でも優れています。
鉄分補給を目的とするなら、飲み物としてはワインよりもプルーンジュースや豆乳を選ぶほうが効率的です。
参考:ワインって身体に良いの?ワインに含まれる栄養素と期待できる効果 | EUGlab
ワインを飲むと鉄分の吸収率はどうなる?

ワインの鉄分含有量が少ないことに加えて、ワインを飲むことで食事からの鉄分吸収率が下がる可能性があります。
これは主にタンニンという成分が関係しています。
一方で、すべての鉄分が同じように影響を受けるわけではなく、鉄分の種類によって影響の度合いが異なります。
鉄分の吸収とワインの関係を正確に理解することで、賢い食べ合わせが可能になります。

タンニンが非ヘム鉄の吸収を阻害するメカニズム
鉄分には大きく分けて2種類あります。ヘム鉄(肉・魚由来)と非ヘム鉄(植物性食品由来)です。
赤ワインに豊富なタンニンは「鉄イオンと結びつく性質」を持っており、特に非ヘム鉄と結合することで鉄分の消化吸収を妨げてしまいます。
メカニズムとしては、タンニンが消化管内で鉄イオンとキレート(結合)し、不溶性の化合物を形成します。
この化合物は腸から吸収されにくいため、体内に取り込まれる鉄分の量が減少するのです。
非ヘム鉄を多く含む食品(ほうれん草・大豆・納豆・豆腐など)と赤ワインを同時に食べると、せっかくの鉄分が吸収されにくくなる可能性があります。
参考:赤ワインは鉄分の吸収を妨げる?ワイン女子のための鉄分補強。
ヘム鉄(肉・魚由来)への影響は限定的
一方で、肉や魚に含まれるヘム鉄はタンニンの影響を受けにくいとされています。
ヘム鉄はたんぱく質(ヘモグロビンやミオグロビン)に包まれた状態で存在しているため、タンニンとの結合が起こりにくい構造をしています。
ヘム鉄は非ヘム鉄と比べて吸収率が高く(ヘム鉄:約15〜35%、非ヘム鉄:約2〜5%)、タンニンによる阻害を受けにくいという点でも優れています。
つまり、赤ワインと一緒に食べるおつまみとしては、牛肉・レバー・カツオなど動物性食品を選ぶことが鉄分補給の観点からは賢明といえます。
参考:赤ワインと鉄分の関係~タンニンは悪者か? | FIANO 株式会社フィアーノ
ビタミンCと組み合わせると吸収率がアップする理由
非ヘム鉄の吸収率を上げる方法として、ビタミンCとの組み合わせが非常に有効です。
ビタミンCは非ヘム鉄(三価鉄)を体内で吸収されやすい形(二価鉄)に変換する還元作用を持っています。
さらに、ビタミンCはタンニンが鉄分と結合するのを競合的に阻害する働きもあるため、タンニンの影響を軽減する効果も期待できます。
具体的には、ほうれん草や豆腐などの非ヘム鉄食品を食べる際にレモン汁をかける・パプリカやブロッコリーを添えるなどの工夫が有効です。
ワインを飲みながらでも、ビタミンCを含む食材を意識的に組み合わせることで、食事全体での鉄分吸収を高めることができます。
ワインと一緒に摂りたい鉄分豊富なおつまみ5選

ワインを楽しみながら鉄分を効率よく補給したいなら、ヘム鉄が豊富な動物性食品をおつまみに選ぶのが最も効果的です。
タンニンの影響を受けにくいヘム鉄を中心に、ワインとの相性も優れたおつまみを5つ厳選してご紹介します。
レバーパテ|ヘム鉄の王様で赤ワインと相性抜群
鉄分食品の代表格といえばレバー(肝臓)です。
豚レバー100gには約13mg、鶏レバー100gには約9mgもの鉄分が含まれており、1日の推奨摂取量をほぼ1食でカバーできる鉄分量です。
レバーパテはフランス料理の定番で、赤ワインとの相性は抜群。特にカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ―など、タンニンが豊富なフルボディの赤ワインとよく合います。
市販のレバーパテをクラッカーやバゲットに乗せるだけで、手軽に鉄分を補給しながらワインを楽しめます。
参考:鉄分たっぷりの赤身肉に超絶に相性の良い赤ワインの秘密 – 肉料理
牛肉の赤身|ステーキやローストビーフで効率補給
牛赤身肉100gには約2〜3mgの鉄分が含まれており、ヘム鉄の優れた供給源です。
ステーキやローストビーフは赤ワインとの相性が非常に高く、特にマルベックやシラー、カベルネ・ソーヴィニヨンなど力強い赤ワインとよく合います。
マルベックは歴史的に「黒ワイン」と呼ばれるほど色が濃く、力強い果実味を持つため、鉄分豊富な赤身の牛肉との組み合わせは理にかなったマリアージュです。
調理の際にはレモン汁やハーブを添えると、ビタミンCによる鉄分吸収促進効果も期待できます。
カツオのたたき|和食派におすすめの鉄分源
カツオ(赤身)100gには約1.9mgの鉄分が含まれており、魚の中でもトップクラスの鉄分量を誇ります。
カツオのたたきは、レモンやポン酢で食べることが多いため、ビタミンCと鉄分を同時に摂れるという一石二鳥のメニューでもあります。
和食派の方には、軽めの赤ワインや国産ロゼワインとの組み合わせがおすすめです。
なお魚介類と赤ワインを合わせる場合、鉄分含有量が多いワインだと生臭みが生じやすいという研究結果もあるため、鉄分が少ない白ワインや国産甲州ワインを選ぶとより食べやすくなります。
参考:科学的に考える!ワインと魚の相性論 | エノテカ – ワインの読み物
あさりの酒蒸し|白ワインで調理して一石二鳥
あさり100gには約3.8mgの鉄分が含まれており、貝類の中でも特に鉄分が豊富な食材です。
あさりの酒蒸しを白ワインで調理すれば、ワインの風味と鉄分補給を同時に楽しめる一石二鳥のメニューになります。
調理法はシンプルで、フライパンにあさり・白ワイン・にんにく・パセリを入れて蒸すだけ。
パセリには非ヘム鉄とビタミンCが豊富に含まれているため、あさりのヘム鉄と合わせて鉄分吸収をサポートします。
白ワインとの相性も抜群で、残ったスープにバゲットを浸しながら楽しむのもおすすめです。
ドライフルーツ+チーズ|手軽なおつまみプレート
手軽に用意できるおつまみとして、ドライフルーツとチーズのプレートもおすすめです。
ドライプルーン100gには約1.0mgの鉄分が含まれており、干しあんず(アプリコット)にも鉄分が豊富です。
ただし、ドライフルーツの鉄分は非ヘム鉄なのでタンニンの影響を受ける点に注意。
ビタミンCを含むキウイやいちごと一緒に盛り合わせることで、吸収率を補うことができます。
チーズ自体の鉄分量は多くありませんが、カルシウムやたんぱく質を補えるため栄養バランスの観点でも優れた組み合わせです。
ワインと鉄分で避けたいNG食べ合わせ

ワインを飲む際に鉄分補給を意識するなら、吸収を妨げる組み合わせを避けることも重要です。
特定の食材やタンニンの組み合わせによっては、鉄分の吸収効率が大幅に低下する場合があります。
ほうれん草や豆類と赤ワインの同時摂取に注意
ほうれん草・小松菜・大豆・納豆・豆腐などは鉄分を多く含む植物性食品ですが、その鉄分はすべて非ヘム鉄です。
非ヘム鉄はタンニンと結びつきやすいため、赤ワインと同時に食べると鉄分の吸収率が著しく低下する可能性があります。
特にほうれん草はそもそも鉄分の吸収を妨げるシュウ酸を多く含んでおり、赤ワインのタンニンとの相乗効果で鉄分吸収の阻害が強くなる恐れがあります。
貧血気味の方や鉄分補給を意識している方は、これらの食材と赤ワインを同時に食べることは避けるか、ビタミンCを多く含む食品を一緒に摂るよう心がけましょう。
参考:赤ワインは鉄分の吸収を妨げる?ワイン女子のための鉄分補強。
コーヒー・紅茶との食べ合わせも要注意
食後のコーヒーや紅茶にもタンニンやクロロゲン酸などの鉄分吸収阻害物質が含まれています。
ワインと食事を楽しんだ後に続けてコーヒーや紅茶を飲む場合、食事中に摂取した鉄分の吸収がさらに妨げられる可能性があります。
鉄分の吸収を最大化したいなら、食後のコーヒー・紅茶は食事から1〜2時間以上あけてから飲むのが理想的です。
緑茶のカテキンも同様に鉄分吸収を阻害するため、鉄分補給を意識している際は食後すぐの緑茶も控えるとよいでしょう。
ワインより効率的に鉄分を摂る方法

鉄分補給を真剣に考えるなら、ワインに頼るのではなく鉄分含有量が高い食品やサプリメントを積極的に活用することが大切です。
ここでは具体的な鉄分豊富食品のランキングと、サプリメントを使う際の注意点を解説します。
鉄分含有量が多い食品ランキングTOP10
以下に代表的な鉄分豊富食品をランキング形式でまとめました(可食部100gあたりの鉄分量)。
| 順位 | 食品名 | 鉄分量(100gあたり) | 鉄分の種類 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 豚レバー | 約13mg | ヘム鉄 |
| 2位 | 鶏レバー | 約9mg | ヘム鉄 |
| 3位 | あさり(むき身) | 約3.8mg | ヘム鉄 |
| 4位 | ほうれん草(茹で) | 約2.0mg | 非ヘム鉄 |
| 5位 | 牛赤身肉 | 約2〜3mg | ヘム鉄 |
| 6位 | カツオ | 約1.9mg | ヘム鉄 |
| 7位 | 納豆 | 約3.3mg | 非ヘム鉄 |
| 8位 | 小松菜(茹で) | 約2.1mg | 非ヘム鉄 |
| 9位 | ドライプルーン | 約1.0mg | 非ヘム鉄 |
| 10位 | 赤ワイン(参考) | 約0.4mg | — |
豚レバーや鶏レバーは赤ワイン100mlの30倍以上の鉄分を含んでいます。
毎日の食事にレバー・あさり・牛赤身肉・緑黄色野菜を積極的に取り入れることが、鉄分補給の王道です。
サプリメントを活用する際の注意点
食事からの鉄分補給が難しい場合、鉄分サプリメントの活用も一つの選択肢です。
ただし、サプリメントを使う際はいくつかの注意点があります。
- 過剰摂取に注意:鉄分は過剰摂取すると活性酸素を生成し、内臓にダメージを与える可能性があります。上限量(成人男性で40〜45mg/日、成人女性で35〜40mg/日)を超えないよう注意が必要です。
- 空腹時は避ける:鉄分サプリは空腹時に飲むと胃腸への刺激が強くなることがあります。食後に飲むのが基本です。
- タンニン飲料と一緒に飲まない:サプリメントもコーヒー・紅茶・赤ワインと一緒に飲むと吸収が妨げられます。水またはビタミンCジュースと一緒に摂るのが最適です。
- 医師への相談:貧血の診断を受けている方は、自己判断でサプリメントを使用するのではなく、医師に相談した上で適切な量と種類を選びましょう。
ワインと鉄分に関するよくある質問

ワインと鉄分の関係について、よく寄せられる質問にお答えします。
貧血の人はワインを飲んでも大丈夫?
Q. 貧血と診断されていますが、ワインを飲んでも大丈夫でしょうか?
A: 少量であれば必ずしも禁止ではありませんが、注意が必要です。赤ワインのタンニンは非ヘム鉄の吸収を妨げる可能性があるため、鉄分が多い食材(特に植物性)と同時に摂取することは避けたほうがよいでしょう。また、アルコール自体が鉄の代謝や貯蔵に影響を与えることも研究で示されています。貧血治療中の方は主治医に相談の上、飲酒量や飲み合わせについて個別に確認することをおすすめします。
鉄分が多いワインの品種や産地はある?
Q. 鉄分が特に多いワインの品種や産地はありますか?
A: 特定の品種や産地で鉄分含有量が大きく異なることがあります。岩手県で研究されたヤマブドウワインは、通常の赤ワイン(新酒)の約2倍の鉄分を含むことが報告されています。また、コート・ド・ボーヌのポマールは鉄分を多く含む粘土質土壌で育てられたブドウを使用しており、鉄分が豊富な産地として知られています。ただし、ワインの鉄分含有量はワイナリーの製造設備(古い鉄製機材など)にも左右されるため、品種・産地だけで一概に判断できない点にご注意ください。
妊娠中・授乳中の鉄分補給とワインの関係
Q. 妊娠中・授乳中は鉄分が特に必要だと聞きましたが、ワインで補うことはできますか?
A: 妊娠中・授乳中のアルコール摂取は胎児や乳児への影響が懸念されるため、基本的に飲酒は推奨されません。妊娠中は鉄分の必要量が通常の約2倍(約21.5mg/日)に増加しますが、これはワインではなく、食事やサプリメントで補うべきです。レバー・赤身肉・あさりなどの食品を積極的に取り入れるか、産婦人科医の指導のもとで鉄分サプリメントを活用してください。
赤ワインのポリフェノールと鉄分の関係は?
Q. 赤ワインのポリフェノール(レスベラトロールなど)は鉄分吸収に関係しますか?
A: 赤ワインに含まれるポリフェノール類(タンニン・アントシアニン・レスベラトロールなど)のうち、タンニンは鉄分吸収を阻害する代表的な成分です。一方、アントシアニンやレスベラトロールについては鉄分吸収への直接的な阻害作用は限定的とされています。ポリフェノールの抗酸化作用・抗炎症作用などの健康効果は認められていますが、鉄分吸収の観点では総じてタンニンの阻害作用が支配的です。鉄分補給とポリフェノール摂取を両立させたいなら、おつまみの選び方(ヘム鉄中心)と食べ合わせの工夫が鍵となります。
参考:赤ワインは体にいい?健康と赤ワインとの関係についてご紹介!
まとめ|ワインは楽しみつつ鉄分は食事で賢く補おう

この記事で解説してきたワインと鉄分の関係を整理します。
- ワインの鉄分量は少ない:赤ワイン100mlに含まれる鉄分は約0.4mgで、1日の推奨摂取量の約4%程度にすぎません。ワインを主な鉄分源にすることは現実的ではありません。
- タンニンが吸収を阻害する:赤ワインのタンニンは非ヘム鉄(植物性鉄分)の吸収を妨げます。ほうれん草・大豆・豆類と赤ワインの同時摂取は鉄分補給の観点からはNGです。
- ヘム鉄はタンニンの影響を受けにくい:牛赤身肉・レバー・カツオ・あさりなどの動物性食品に含まれるヘム鉄はタンニンの影響を受けにくいため、ワインと一緒に食べても比較的効率よく鉄分を摂れます。
- ビタミンCを組み合わせる:レモンやパプリカなどビタミンCを含む食材を合わせることで、非ヘム鉄の吸収率を高められます。
- 鉄分は食事・サプリで補う:鉄分補給はワインに頼らず、レバー・あさり・赤身肉などの食品や、必要に応じてサプリメントを活用しましょう。
ワインは食事や暮らしを豊かにしてくれる素晴らしい飲み物です。
「鉄分補給になれば一石二鳥」と期待しすぎず、ワインはワインとして楽しみながら、鉄分は食事全体のバランスで賢く補うスタンスが最もおすすめです。
おつまみ選びにレバー・赤身肉・あさりを意識するだけで、ワインタイムを楽しみながら自然と鉄分を摂ることができます。ぜひ今日の食卓から実践してみてください。


コメント